
学生納付特例制度とは?(千葉の学生向け解説)
千葉県には大学や専門学校が多く、学業に専念するためにアルバイト収入が限られる学生も少なくありません。そうした学生の負担を軽減するために用意されているのが「学生納付特例制度」です。20歳から加入が義務になる国民年金保険料の納付を、一定期間「猶予」できる制度であり、申請すれば年金保険料を支払わずに済むため、学生生活の家計には大きな助けとなります。
ここでは、千葉の学生が制度を活用する際のメリットとデメリットを、分かりやすく深掘りしていきます。
【メリット】学生納付特例の利点
① 現金の負担がゼロになる
学生納付特例制度の最大のメリットは、国民年金保険料(月額約17,000円前後)の支払いが不要になることです。千葉で一人暮らしをしている学生にとって、家賃・食費・教材費などの出費は大きく、毎月1.7万円の支出がなくなるのは相当な家計改善となります。
特に物価上昇が続く中、生活費を削りながら年金保険料まで払うのは現実的ではない場合もあります。制度を活用することで、アルバイトに追われず、学業や資格取得の時間を確保できる点は非常に魅力的です。
② 未納扱いにならない(将来の信用が守られる)
学生納付特例の期間は「未納」ではなく「保険料を後で払うことを認められた期間」として扱われます。
これが重要なのは以下の理由からです。
- 未納期間があると 将来の年金額が減る
- 社会保険加入時に「年金未納がある」と判断されることがある
- 住宅ローンなどの審査に影響する可能性もゼロではない
学生納付特例を使えば、「未納の履歴」を残さずに済み、社会人になった後の信用にも影響を与えません。
③ 申請が簡単(千葉市役所・区役所・スマホ申請OK)
千葉県内の市役所・区役所、または年金事務所で申請できますが、いまは マイナポータルでのオンライン申請 が主流です。
必要なものは主に以下の通り:
- 学生証
- マイナンバーカード(オンライン申請の場合)
- 本人確認書類
手続きが簡単で、更新も毎年できるため、負担なく継続できます。
④ 学業や資格取得の時間を確保しやすい
学生が支出のためにアルバイトに時間を割くことは珍しくありません。しかし、年金保険料分の約1.7万円を稼ごうとすると、毎月10〜15時間の労働が必要になります。
学生納付特例を利用すれば、その分の時間を
- 資格勉強
- インターン
- 大学の授業・研究
- 趣味や交流活動
などに使うことができます。
特に千葉県内は IT・航空・医療・教育など幅広い産業が多く、学生の活躍の場も豊富です。早めのキャリア形成につながる時間の使い方ができる点も大きなメリットといえます。
【デメリット】学生納付特例の注意点
① 将来の年金受給額が減る可能性
学生納付特例期間は「保険料を払っていない扱い」になるため、追納しない限り、その期間分の年金額は減少します。
- 国民年金は原則 40年(480ヶ月)納めて満額受給
- 特例を2年間利用 → その分だけ受給額が減る
ただし、後から追納すれば減額は解消できます。
② 追納には“加算金(利息のようなもの)”がつく場合がある
学生納付特例で猶予された保険料は、 猶予期間の3年後から加算金(延滞のようなもの)が発生 します。
例:
- 2025年度分 → 2028年度から加算金発生
つまり、早く追納するほど支払額は少なく済みます。
③ 障害年金などの保障が不十分になる場合がある
学生納付特例を利用している期間は、原則として「保険料を納めた期間」としては扱われないため、以下の保障が制限される場合があります。
- 障害基礎年金
- 遺族基礎年金
ただし、初診日の前々月までの納付済み期間と猶予期間の合計が2/3以上あればOK という例外があります。
制度の仕組みとしては理解しておく必要があります。
④ 申請を忘れると“未納扱い”になってしまう
学生納付特例は「申請制」のため、申請しなければ未納扱いとなります。
千葉県内の自治体でも、毎年申請を忘れる学生は少なくありません。
未納になると以下の問題が発生します:
- 将来の年金額がさらに減る
- 信用情報に影響
- 後から追納しても加算金が増える
必ず 毎年更新 するよう注意が必要です。
【学生向けまとめ】
学生納付特例は、学生生活の経済負担を減らし、学業やキャリア形成に集中するための重要な制度です。しかし、「免除」ではなく「猶予」なので、後から追納することが前提である点をしっかり理解しておく必要があります。
【追納と追納予定額の運用可能性について】
学生納付特例を利用した後、多くの学生が気になるのが「追納をどう考えるべきか」という点です。追納は、将来の年金額を満額に近づけるために非常に重要です。しかし、支払方法やタイミング、さらには追納予定額を運用するという選択肢も存在します。
ここでは、追納と運用という2つの視点から詳しく解説します。
① 追納は早いほどお得(加算金が増えていく)
学生納付特例で猶予された保険料は、3年を経過すると加算金が加わります。
つまり、追納するなら
- 早いほど安い
- 遅いほど負担増
という構造です。
例えば
年間約20万円の保険料を2年間猶予 → 計40万円
3年を超えるごとに加算金(数千〜数万円)が追加されていきます。
社会人になって収入が安定したら、早めに追納するのが合理的です。
② 追納予定額を“運用にまわす”という考え方
近年では「追納する前に運用し、増えた利益で追納する」という考え方を取る人も増えています。
メリット:
- 年金運用よりも高い利回りが期待できる(つみたてNISAなど)
- 資産形成の習慣がつく
- 追納資金を増やせる可能性がある
特に 長期積立投資(インデックス運用) は、20代の資産形成として非常に向いています。
③ ただし“追納しないリスク”は理解しておくべき
運用がうまくいかない可能性もゼロではありません。
もし追納資金が減ってしまえば、年金受給額の減少リスクも残ります。
選択肢:
- 確実性重視 → 早期に追納
- 資産形成重視 → 運用して増やしてから追納
両方のバランスを考えながら判断することが求められます。
④ 千葉の学生への結論
- 学生納付特例の利用は非常に合理的
- 追納は「早いほど有利」
- 追納予定額の運用も選択肢としてアリ
- ただし確実性とリスクのバランスを考えること
学生のうちからこの知識を持っておくことで、将来の老後資金設計にも大きな差がつきます。
分からなければ、田村さんに聞いてみよう!!

